本をすすめる仕事に楽しさとやりがいを感じています
掲載号:2019年秋冬Vol.2[京都版]

- 大垣書店 / 書店員
- 京都ノートルダム女子大学 / 人間文化学部人間文化学科(現:国際言語文化学部国際日本文化学科)卒業
- 田中 藍子さん
- 勤務先ホームページ:https://www.books-ogaki.co.jp/
- 書店でのアルバイトがきっかけ
- 大垣書店で、品出しや発注、レジ打ち、アルバイトスタッフの指導、お金の管理など書籍の販売に関わる業務全般を担当しています。書店員を目指すようになったのは、大学3年次のころから。もともとは本の管理や貸出を行う図書館司書になりたくて、図書館学のジャンルで著名な先生がいる京都ノートルダム女子大学に入学しました。司書の勉強にも役立つだろうと始めた書店でのアルバイトを通し、徐々に“本をすすめる仕事”に楽しさを感じるようになっていったんです。
- ツイッターでトレンドをチェック
- 売場で「おすすめの本はある?」と聞かれたときは、好きなジャンルや作家、最近読んだ本などを聞きながら、「これなら喜んでもらえるかな」という1冊を提案します。そのために大切なのが、どういう本があるかをしっかりと頭に入れておくこと。ニーズにこたえられる本をいかに売場に並べるかを考えるのも仕事の一つ。そのために、ツイッターのトレンドランキングを欠かさずチェックしています。例えばテレビ番組名がトレンドに上がっていたら、そこで取り上げられていた本を探しに来る人が増えるかもしれないと用意したり。また、近くの施設でセミナーがあれば講師の著書を並べることもあります。世間で何が話題になっているかを常に意識して、関係する本はないか気にするようにしています。
- 本を手に取る機会を作ることも重要
- 読書好きを増やすためにも、まずは本を手に取る機会を作ることが重要だと思っています。今年初めて、大垣書店が主催する「読書マラソン」の運営スタッフになりました。小中学生を対象にした取り組みで、本を3冊読み、その感想を書いてもらうというものです。表彰式に参加してくれた子どもたちの笑顔を見て、本に触れる楽しさを感じてくれているんだなと実感できましたね。
- いろいろな経験がつながって
- 就職してから感じたのは、いろいろな経験が今にいきているということです。学生時代に秘書検定の資格を取ったことできちんとした言葉遣いを身に付けられましたし、図書館司書の授業で勉強した出版の歴史の知識も役立っています。もちろん書店でのアルバイトも。目の前のことに全力で取り組むと、その経験がつながって、いずれ実を結ぶと信じ、皆さんも頑張ってください。

お客さんの動線に合わせて、並べる本を変えているそう。

「目指すのは、ほしい本がすぐ見つかる売場。お客さんの層を見極めて、お客さんに合う本を並べるようにしています」