絵を描いていられたら、それだけで心から幸せです

掲載号:2017年12Vol.9[尾張版]
  • Lulu Kouno/イラストレーター・絵描き
  • 東海学園大学人文学部卒業2009年卒業
  • 河野ルルさん
  • 勤務先ホームページhttp://lulu-image.tumblr.com  
  • 学生生活について
  • Q.高校生活・進学の背景について教えてください
    テニスコーチをしていた父の影響があったと思うのですけれども、テニスがしたくてしょうがありま せんでした。ただ私の年代はあまりテニス好きが集まらなくて、結局3年間、一人で壁打ちをしていま したね。自主的に朝練までして、異様な光景だったと思います。卒業文集にも、部活メンバーや先生か ら『よく頑張っていたね』『感心していた』と書いてもらうほどでした。
    Q.大学生活について
    地元でテニスが強く、しかも興味のあった英語も専攻できる大学ということで、東海学園大学へ入りました。4年間、テニスの思い出ばかりです。毎日夜の10時くらいまで練習していましたよ。全国へ出場するような大きな結果は残せなかったのですが、やりたいだけやれたことでテニスへの未練はありません。海外へ興味を持ち始めたのは部活メンバーと行ったバリ島への卒業旅行です。その時に、海外の素晴らしさを知ったのです。自分はこれまでテニスしかしてこなかったから、社会人になったらお 金を貯めてどんどん海外旅行へ行ってみたいと強く決心しました。
  • 今の仕事に就くまで〜「旅をすること」「絵を描くこと」をはじめる〜
  • Q.卒業してからの進路は?
    『これがしたい!』という職業は思い浮かばなかったのですが、漠然とOLに憧れていました。ま た学生から社会人になるということへのワクワク感や期待感もありました。一社会人としてしっかり働いて会社に貢献しようとは決めていましたよ。もう一つ決めていたのは、プライベートで英語の練習と貯金をがんばること。もちろん海外旅行へ行くためです。
    Q.長期間の旅を始めるきっかけは?
    バックオフィス系の仕事について 2 年くらいした頃、貯金と語学の準備がひと段落したタイミングで、モンゴルへ一人旅に行きました。 何もかもが楽しかったです。もうあの楽しさは生きている間に二度と味わうことができないんだろうと思っているほどです。 言葉がひとつ通じるだけでも嬉しいですし、友達ができるだけでも感動して、とにかく身の回りに起こるすべてが新しい体験で、ワクワクドキドキしていました。 またその時に、これはやはり、数日の旅行ではなくてもっと長い期間滞在してみたい、と強く感じました。私が旅をする中での一番の楽しみは、人との出会いです。珍しい人工物や風景も確かに素敵なのですが、それよりも、現地の人々と触れ合い自分が想像もしていなかったような価値観を知ること、また、全く知らなかった人とお互いに出会えたことを喜び合える関係を築くこと、こうしたことが楽しくてだんだんと旅にのめり込んでいきました。
    Q.絵を描き始めるきっかけは?
    はじめての海外一人旅から 1 年ほど経った頃、ふと、旅をもっと楽しめるための趣味・特技が欲しいなと思い立ち、ウクレレと絵を描くことを始めました。 その時の感情も含めて記録できる点で、絵が描けるといいなと思ったんですね。 一緒にはじめたウクレレは結局だんだんフェイドアウトしていきました。 絵を習ったこともなかったですし、好きだったわけでもないのに不思議だな、と思います。 ただ、始めはすごくストレスでした。自分の頭で思い描いているイメージと、紙上に描かれる絵が違いすぎて。(時間と絵の具を大量に使って下手くそな絵を描いて、もう嫌だな)と思うことがしょっちゅうありましたよ。でも何度も何度も描いているうちに、自分の中で納得のいく絵が描けるようになりました。そのタイミングで、会社を辞めて1年弱の一人旅へ出発しました。
    Q.壁画を描き始めたきっかけは?
    3ヶ月ほど滞在したメキシコで、絵を描かせて欲しいと頼んでみたのです。メキシコでは壁画が結構たくさんあり、中には、(私でも描けるのではないかな?)という絵もありました。一方的な思い込みですけれども(笑)。 どうしても描いてみたくて、持てる限りの勇気を振り絞ってホテルのオーナーに交渉してみたら、あっさ り「OK」。あまりにあっさり受け入れてくれるので拍子抜けしましたよ。 そしていざ壁に描き始めたら、とても、とても、楽しくて。水を飲むことも忘れ、トイレに行く時間 ももったいないと思うほどの勢いで、夢中で描きました。 私にとって食べることは、人との出会いに並ぶ楽しみの一つなのですが、食べることも忘れて描き続けるなんて、 本当に好きなんだな、と後付けで気づきましたね。
    1 年弱の一人旅について
    特に印象的なのはインドです。価値観があまりに違いすぎ、信じられないことの連続でした。大前提として、人々が誰かに与えることに純粋な喜びを感じているのです。貧しい人が貧しい人に何かを分け与える、ということが当たり前なんですね。さらには、貧しい人が自分より貧しくない人にも何かを分け与えたりもしています。わけがわからないと戸惑いながらも、(この文化に触れた時に感じた気持ちを決して忘れてはいけない)と強く思いました。優しい人に会った時に優しかったと感謝するだけなら 小学生でもできると思うのですが、大人である自分は、自分もそうなりたいと思って行動に移すべきだと感じています。
  • 現在の仕事について
  • Q.ざっくりとしたお仕事内容は?
    現在の私の仕事は、お客様の要望に沿った絵を描くイラストレーターと、アーティストとしての絵描き と、両面があります。イラストレーターとして仕事をするときには依頼していただいた背景や求められていることをしっかりと聞きご要望にお応えすることを第一に考えますし、絵描きとして作品をつくる ときには自分の中のイメージを固めること・それを表現することに夢中になります。 この2つの側面が互いに相乗効果をもたらしてくれていると感じています。 例えば、絵描きとしての個展でお客様に気に入ってもらってイラストレーターとしてのお仕事依頼をい ただくこともよくありますよ。どちらの役割も楽しんでいますが、絵描きとして絵を描くことに没頭している時間は心からの癒しに なっています。 またその他の仕事内容としては、フリーランスなので自分で営業活動も行います。DM を流したり、お店などに飛び込んだり、様々なパターンでアプローチしています。
    Q.具体的なお仕事は?
    イラストレーターの仕事としては、小児科や保育園・児童施設といった子供が集まる場所や、イベント スペースなどの壁に壁画を描いています。また壁だけではなく絵本を制作したりパンフレットやメ ニュー表の挿絵を描いたりもしていますよ。 絵描きとしては、ちょうど今準備しているのが UNKNOWN ASIA というアートフェアへ出展する作品づくりです。このアートフェアの魅力は、出展することができたアーティストは、普段会えないような大御所と自分の作品の前でビジネスの話ができるという点です。出展にも審査があるのですが、かなり気合いを入れて出展審査に臨んだところ、なんと地域で一人の特別出展枠をいただくことができました。本当に嬉しかったです。 また直近ではマレーシアで個展を開いたのですが、この個展から、マレーシアの不動産に壁画を描くことができるご縁をいただきました。
  • 今後やりたいことは?
  • 途上国の児童施設を、私の壁画でカラフルにすることが夢です。先進国では、ホスピタルアートなどアートの重要性が認知されていますが、途上国ではまだそこまで手が回らない、という現状があります。柔らかい感性を持っている子どもたちが成長する空間を、楽しい雰囲気にしたいです。一方で、写真展などで見る途上国の子どもたちは物質的に豊かでなくてもみんなとても可愛い笑顔をしているので、純粋にあの子たちに会ってみたいという想いもあります。会って、仲良くなって、そして、私の描いた絵を気に入ってくれたら嬉しいな、と想像しています。 折に触れて感じるのですが、壁画は、空間の雰囲気を変えるとても大きなパワーを持っています。
  • 高校生へのメッセージ
  • 自分自身の高校時代を思い出したら、目の前のことだけに一生懸命でした。確かに視野は狭かったですが、だからこそ一途になれた気もします。どこにも正解はないので、悔いの残らないようやりたいことをやってください。 難しかったり自分には不可能に感じることも、失敗を想像しながら中途半端に臨むのではなく、覚悟を決めてまっすぐな気持ちで取り組めば、成功することが多いですよ。

  • 「困っている人を支援したい」それが、公務員をめざす原点だった

    江東区役所 富岡出張所 / 区役所職員
    専修大学 経済学部経済学科 卒業
    須永 優太さん

  • 患者さんが失った身体能力を取り戻す過程に立ち会い、伴走する

    立川相互病院 / 理学療法士
    東京都立大学 健康福祉学部 理学療法学科 卒業
    山田 眞美さん

  • アイディアで お客様の仕事を大きくする

    株式会社ティー・オー・エム
    中央大学 文学部 2012年卒業
    鈴木翔大さん