人の役に立ちたいという思いがつなげた自衛官への道
掲載号:2020年秋冬Vol.15[東京版]

- 陸上自衛隊 朝霞駐屯地 / 第1後方支援連隊 第1整備大隊施設整備隊
- 帝京大学 法学部 法律学科 卒業
- 佐々木 亮太さん
- 勤務先ホームページ:https://www.mod.go.jp/j/saiyou/index.html
- 小さい頃から体を動かすことが好き
- Q.公務員を目指したきっかけは?小さい頃から体を動かすことが好きで、消防士のように現場で体を使って人の役に立つ仕事にあこがれていました。高校卒業後の進路で迷っていたときに、担任の先生から「公務員を目指すなら大学で法律を学ぶのもいい」というアドバイスを受け、法学部のある帝京大学に進学しました。大学での学びはどの科目も覚えることが多く、授業についていくのに必死でした。
- 東日本大震災が転機
- Q.現職を志望した理由は?大学在学中に起きた東日本大震災が転機となりました。連日テレビから流れる被災地の様子に「何か自分にもできることはないか」と考え、ボランティア活動に参加、宮城県気仙沼市でがれき除去などを行いました。その際、被災者の方から自衛隊に非常に助けられているという話を聞き、初めて自衛隊を意識しました。その後、大学の合同説明会に参加し、東京地方協力本部の広報官から自衛隊の仕事について詳しく教えてもらいました。 その方がとても良い方で「自衛官としてやっていけるだろうか」という漠然とした不安を抱いたときも、前向きな気持ちになるような言葉で励ましてくれました。そのおかげで、昔から目指していた消防士と自衛官との間で揺れていた気持ちが自衛官に定まりました。同級生が民間企業から内定をもらっている時期も、自衛官になるという意志は揺らぎませんでした。
- 「人の役に立つ仕事」に従事できていることを実感
- Q.現在の仕事内容を教えてください油圧ショベルなど施設器材の整備を行っています。器材を移動させるため、入隊後に大特免許を取得しましたが、普段は運転ではなく整備がメインの仕事です。一般曹候補生として入隊後、最初の3ヶ月間は神奈川県武山駐屯地で前期教育を受け、自衛官としての基本を身につけました。周囲には高校卒業後すぐに入隊した人もいましたが、毎日寝食を共にしているうちに年の差は関係なく「同期の仲間」になりました。後期教育では現在の部隊で専門職種に必要な技能や知識を学び、そのまま配属となりました。普段は駐屯地や演習場で整備していることがほとんどですが、災害派遣では被災された方と直接お話をする機会があります。昨年の台風19号による災害派遣で給水支援を行ったときも、たくさんの方から感謝の言葉をいただきました。小さい頃から目指していた「人の役に立つ仕事」に従事できていることを実感し、やりがいを感じました。
- 仲間意識を持つ
- Q.自衛官に向いているのはどんな人ですか?団体で行動する機会が多いので、仲間意識を持って行動できる人が向いていると思います。
- 学生時代はそのときしかできないことを
- Q.高校生へのメッセージを自衛隊で働くために必要なモノは、すべて入隊後に身につけることができます。各種資格は職種に応じて取得できますし、体力面で不安がある人も、最初の3ヶ月間でしっかり走れるようになります。ですから、学生時代はそのときしかできないことに、ぜひ全力で取り組んでください。