巨額の公金を管理し区民の暮らしを守る

掲載号:2021年春夏Vol.16[東京版]
帝京大学
  • 未曽有の震災が転機となり、地方公務員を志望
  • 公務員を目指すようになったのは、大学2年生の時です。親身に指導していただいた恩師との出会いがきっかけでした。会計学や税法の授業を通して信頼を寄せていた恩師へ進路相談をした際に薦められたのが、国税専門官という国家公務員だったのです。そして、公務員の仕事を詳しく調べ始めた頃、東日本大震災に遭遇しました。私自身も帰宅困難者の救済を体験し、地域や住民の力になりたいと思ったことが、区役所で働く地方公務員を志望した理由です。
  • 大学での“ゼミ”を公務員試験対策に活用
  • 公務員試験対策を本格的に始めたのは、大学3年生になってからです。学習効率を高めるため、予備校にも入学しました。最初から全ての試験科目を万遍なく勉強するのではなく、確実に高得点を狙える科目を増やしていきました。予備校にも通う一方、大学で注力したのは、受験テクニックや暗記に頼らない試験対策でした。活用したのは、特定のテーマについて学生同士で学び合う“ゼミ活動”の場です。公務員試験の過去問題を題材に、その原因や背景を理解し、経済学を駆使して解決策を考える。そんな実践的な学びを通して、どのような試験問題にも対処できる応用力を磨きました。手応えは十分で、大学で培った会計学や経済学の知識は、現在の仕事の礎にもなっています。
  • 品川区の“公金”を一元管理する仕事
  • 会計管理室に所属し、公金の管理や運用、基金に携わっています。各口座に入金された公金の収納、3カ月先までの収入・支出の予定確認、残高確保のための口座間の公金移動、資金計画の作成など、業務は多岐にわたります。
  • 区民の役に立てていると実感できる瞬間が多い
  • 品川区の場合、歳入・歳出や基金の総額は数千億円規模になります。責任は重大ですが、その管理や運用を通して区民の暮らしを守ることに、使命感とやりがいを感じています。また、公園の整備や学校の改修など、公金によって推進される事業を街で目にする機会も多くあります。間接的にも自分が役に立てていると実感でき、働くモチベーションになっています。
  • 求められているのは “変化”を楽しめるような人材
  • 一般的に公務員の仕事は、「ルーティンワークが多い」「融通が利かない」と思われがちです。しかし、実際には刻々と変化しています。未経験の問題が生じ、正解がない中で解決に向けて取り組むケースは、今後さらに増えていくかもしれません。その意味では、変化の時代をポジティブに捉え、柔軟に行動できる人が向いている仕事だと思います。定期的な部署間の異動もあり、さまざまな業務を経験できるので、働きながら自分の適性を見つけたい人にもお薦めできます。ぜひ一緒に、地域の未来を切り拓いていきましょう。

林 侑さん流、人生の宝物になる学生生活の過ごし方

< 将来を切り拓いてくれた数々の出会い > 公務員試験合格に向けて勉強に励むことは大切ですが、せっかくの学生生活なので一つひとつの出会いを大切に過ごしてください。それというのも、公務員という職業にめぐり合わせてくれた恩師をはじめ、学部や学科の垣根を越えたキャンパスでの出会いが、自分を見つめ直すきっかけになったからです。境遇や年齢も異なる多様な仲間の高い志や学習意欲に刺激を受けて奮起しました。だからこそ総代で卒業し、公務員試験にも挑み続けることができたと感謝しています。

  • 大好きなコスメ業界でものづくりに邁進。アイデアを形にする過程が楽しい!

    株式会社伊勢半 / 商品プランナー
    東京造形大学 造形学部デザイン学科 インダストリアルデザイン専攻領域 卒業
    富成 紗良 さん

  • 外国で暮らす上で、趣味や私生活での楽しみをもつことも大事

    外務省 / 北米局 日米地位協定室 主査
    国際基督教大学(ICU) 教養学部 国際関係学科(当時) 卒業
    児島 匠さん

  • 日本人の目と培ってきた国際感覚で支援ネットワークのコアになる

    日本赤十字社 / 国際部 総合職
    聖心女子大学 歴史社会学科国際交流専攻 (現:国際交流学科)卒業
    赤松 直美さん