地域の歴史を学びながら、共に作っていけることが 自分自身を成長させる
掲載号:2022年春夏Vol.18[東京版]

- 渋谷区役所 / スポーツ部 事業調整主査
- 中央大学 法学部 卒業
- 上田 理紗さん
- 勤務先ホームページ:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/
- 炎の塔で公務員試験対策
- 中央大学には『炎の塔』とよばれる研究室があります。〜学生諸君が、この棟に結集し、難関の国家試験の克服に向け、不動の決意のもと、炎のように燃える情熱をこめて当たられるよう『炎の塔』と称することとした〜というのが由来です。この施設内に、個人で使用できる机やオープンスペースもあります。弁護士などを目指している方はかなり勉強をされていますので、そういった方々の刺激を受けながら日々勉強をしていました。
- じっくりと就職について考えた学生時代
- 元々スポーツが好きで、就職先を考えたときに唯一やってみたかったことは、オリンピック・パラリンピックに関わる仕事でした。ただこれは期間が限られた業務なので、どうしたら良いかと考えているうちに、公務員は部署が変わると転職のように大きな変化があり、その中で自分がやりたいことを見つけられるのではと考え、まだ無理にやりたいことを決める必要はないと思いました。また私自身が転勤族という家庭の事情から自分の地元を作りたいという気持ちもあり、地方公務員を目指すようになりました。
- 大好きなスポーツを通して仕事ができる喜び
- 私たちは、渋谷区全体を15㎢(※)の運動場と捉えていて「思わず身体を動かしたくなる街へ」というビジョンを掲げ、誰もがスポーツに関われる環境を整える業務を行っています。暮らしに身近な道路や公園、時には商業施設の広場を使って地域の方々がスポーツで繋がれる「どこでも運動場プロジェクト」や障がいの有無に関わらず参加できる「障がい者スポーツ体験教室」等多岐にわたり事業を展開しています。 ※渋谷区のおおよその面積
- 地域の方々が支えてきた区のスポーツを学ぶ
- 地域の方は私が入区する遥か昔から渋谷に住んでいる方々です。これまでに作ってこられた歴史を学び、尊重しつつ、新たなリソースを巻き込むことで区のスポーツの発展を間近に感じることができ、それが私自身の成長にもつながると考えています。そうした学びや地域との繋がりを大事と思っている方、既存のことにとらわれず創造することを楽しめる方がこの職業に向いていると思います。
- 焦らず、好きなことを大切に
- たとえ将来につながらなさそうなものでも、好きなことは大切にしてください。私は学生時代、部活動に励み、それを契機にスポーツが人を元気にさせる力があることを知る経験がありました。その体験を通じて今、スポーツ振興課に配属になり、リオパラリンピックの視察等、夢だった仕事に関われる機会に巡り合いました。また、もし好きなことがなくても、部活動やアルバイトなど今しかできない活動で経験を積んでみてください。それが将来を考えるきっかけになるかもしれません。